「いわゆる、その、業績不振、売上低落ののわが社としては、四文字熟語で弱肉強食ビジネス界で起死回生したいわけです・・・」
月曜の朝は、大会議室で天真爛漫社長の支離滅裂な訓辞から始まる。社長はにこやかにホワイトボードに「熟」という字を特筆大書して、仕事とはまったく関係ない講釈を始める。「<熟>という字は皆さん、知ってますね。この字はよく見ると、上下二つの部分に分かれます。下の部分は火が燃える様子を表しており、上の部分は、火や太陽の熱で堅かったものをすっかりやわらかくするということを表しているんですよ。だからこの二つを組み合わせた<熟>という字の意味は”ものごとが何かの力によって、前とはちがった、別の状態、すっかりいい状態に変わっていること”なんですよ。うまいぐあいのものへと変化していること、とも言えます。ま、言ってみれば、ピチピチギャルもフレッシュでジューシーでグーですが、多少オールドな熟女の方も味も香りも奥深くてグーということですね」。そう言って社長はホホッと笑った。おいおい、いったいぜんたい何の話をしているんだ?朝っぱらからいきなりわが社は五里霧中だ。
・弱肉強食(じゃくにくきょうしょく):強い者が弱い者を食い物にすること。弱い者はいつも強い者にいいようにされてしまうこと。
・起死回生(きしかいせい):もう、ほとんどだめだと思われる状態になってしまったのをもう一度、元気をつけ生き返らせるということ。
・特筆大書(とくひつたいしょ):特に大きく書く、特に強調すること。
・天真爛漫(てんしんらんまん):気取ったり飾ったりしないで、ありのままであること。無邪気で明るいこと。
・支離滅裂(しりめつれつ):言う言葉や考え方にまとまりというものがなく、あちらこちらにバラバラに分かれてしまっていること。
・五里霧中(ごりむちゅう):濃い霧がたちこめて何も見えなくなるように、何かをしようとしても見通しがたたず、困ってしまうこと。
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